第4回 問6 コンクリートの中性化深さの調査・診断

【問題6】コンクリートの中性化深さの調査・診断に関する次の記述のうち、最も不適切なものはどれか。

1.中性化の進行は、新築時の水セメント比と密接な関係があるので、新築時の記録があれば参考にする。

2.ドリル粉末法の場合、塗膜仕上げが施されているときは仕上げ材を除去する必要があるが、コア採取法の場合は除去する必要はない。

3.中性化深さ調査に用いる試薬は、1%フェノールフタレインエタノール溶液を使用する。

4.コア採取法による調査では、コアの側面に試薬を噴霧し、赤く呈色した部分を中性化深さとして、ノギス、スケール等を用いて測定する。



コンクリートの中性化等に関しても、マン管で出題されていましたね。

むむむ、○○法とかいう言葉のほとんどははじめて見るものばかりですね…(汗)
まずコンクリートの中性化を復習。。。
[wikipedia via]
コンクリートの中性化は、大気中の二酸化炭素(CO2) がコンクリート内に侵入し、炭酸化反応を引き起こすことにより、本来アルカリ性である細孔溶液のphを下げる現象である。
中性化はコンクリート表面より進行し、鉄筋などの鋼材位置に達すると、不動態被膜を破壊する。
これにより鋼材を腐食させ、腐食生成物の堆積膨張により、コンクリートのひび割れ・剥離を引き起こし、耐荷力など構造物の性能低下を生じる。また、ひび割れが発生したコンクリートはさらにCO2の侵入を促すため、中性化によるコンクリート構造物の劣化、雨水等の浸入による鉄筋の腐食を加速させることが知られている。そのほか、湿潤状態より乾燥状態の方が、一般に中性化の進行は早い。

ただし、中性化してもコンクリート自体の強度が低下するわけではないので、無筋コンクリートの場合は問題にならない。

そうそう、そうでした。
マン管の過去問でもしつこく、中性化してもコンクリート自体の強度が低下するわけではない!!と書かれていました。

①…
住宅新報社のマン管・管業予想問題に水セメント比とは?という問題が収録されていましたのでついでに復習。
水セメント比とはコンクリートの作る時の水とセメントとの割合のこと。
水セメント比は水をW(Water)、セメントをC(Cement.)として
W/C(%)で表すことができます。
問題では、容積比であるというひっかけが出題されていました。
正確には重量比ですね。

ちなみに①ですがコンクリートの中性化現象にも水セメント比が深く関係しているとされています。∴ ○


次に、②と④
ドリル粉末法、コア採取法に関してはこちらを参照。
http://www.dksiken.co.jp/images/concrete_images/pdf/itiran.pdf
もうこの辺の専門知識になってくると、管業・マン管レベルではあまり関係ないですね。
実際に作業をしている写真や、簡単な説明を見た限りだとドリル粉末法に関しては正しい事が書かれているようですが、コア採取法はちょっと違うみたいですね。
どうみても、コンクリートをほじくってますもんね。

中性化試験のことが書かれているのかな?
ノギスとスケールはマン管や管業でもよく登場するのでどんな工具なのか確認しておきたいです♪
もう、正解が④だとわかったんですけど、

③…

コンクリート構造物の中性化深さの測定法には,コアによる方法,ドリルによる方法,はつりによる方法などがあり,調査目的や現場状況に応じて適切な方法が利
用されている.はつりによる方法およびコアによる方法では,1%フェノールフタレインエタノール溶液をはつり面やコアの割裂面などに噴霧し,非発色領域を中性化域として,赤紫色に発色した境界部分からコンクリート表面までの距離を測定し,この値をコンクリートの中性化深さとする.

[引用:コンクリートの中性化深さの測定に関する研究]


こちらにその作業の模様が紹介されていましたよ。
http://www.newtec.co.jp/service/check04.html