板垣恵介 漫画内の「南京事件」の記述 単行本で削除

私の大好きな格闘系漫画「餓狼伝

それの単行本久しぶりに買ってなかった分も含めてまとめ買いしてきました。

餓狼伝は同じく格闘漫画の金字塔「バキ」の作者 板垣先生が書いている漫画です。
原作は格闘小説業界の第一人者 夢枕先生の「餓狼伝」です。

漫画餓狼伝は大筋のストーリーは小説の餓狼伝をなぞってありますが、登場人物などはかなり変えられており、オリジナルのストーリも結構追加されています。
夢枕先生はそういった脚色は板垣先生に任せているらしく好きにやってくださいなというスタンスらしい。

そういった中で1年ぐらい前のイブニングで餓狼伝に日本の武術家が中国人捕虜を虐殺したという記述が登場します。
「1937年 日中戦争」「12月10日より南京にて20万人以上の犠牲者を出した 南京事件」「その陰で行われた 日本武道の恥部」
↑こういった話ですね。

この連載が発表された次の日はインターネット上でかなり大きな波紋を呼びました。
南京事件についてはその内容の真偽について今も尚国内外で係争中であり、その事実も否定する専門家もいるぐらい複雑な内容でありそれを日本の漫画家がシナ側が作り出した一方的な嘘の情報を真に受けた内容を記述するとはどういうことか?
南京事件事態が日本のメディアなどの情報によって既成事実化されたり、拡大していった側面もある経緯からフィクションであれこの問題については
かなり議論されていましたね。

もちろんこの記述に関しては原作の餓狼伝には全く登場しない板垣先生の完全なオリジナルストーリーです。
実はファンの中には原作者夢枕先生に電話で抗議した人もいたらしく、当の夢枕先生自身が南京事件懐疑派であったこともありこの問題に関しては遺憾の意を述べていました。

原作者から板垣先生に何らかの圧力がかかったのか、世論に配慮したのかは知りませんが…
私が買った単行本には上記の記述が
「1937年 日中戦争」「中国野戦軍を撃破せんと日本軍は大陸奥深くへと進出 壮絶なる殲滅戦を展開」「その陰で行われた 日本武道の恥部」
に変えられていました

しかし、そこの部分は変えられていても日本人が大量虐殺・暴行をやったことを連想させる「裸の中国人の死体がものすごい量積み上げられている絵」や
次のページの無抵抗な中国人捕虜を武術の実験台としてなぶり殺したという嘘の記述に関してはそのままでした。

漫画はあくまでフィクションだからといってしまえばそれまでですが
プロパガンダに利用されてきた映画や小説のほとんどがフィクションを謳いながらその印象操作に大きな活躍をしてきた部分もありますので心配ですね。

餓狼伝

夢枕獏の同名小説を、板垣恵介が漫画化。

掲載誌があちこち変わり、2005年2月からイブニング誌上で連載再開。